最高裁判所第二小法廷 昭和32年(オ)1125号 判決 1959年12月18日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人弁護士鎌形寛之、同古屋貞雄、同舎川昭三の上告理由第一、三点について。
しかし、農地法三条は永小作権の期間満了による消滅の場合につき何等関知するものでないことは、同条の文理上明白であるから、かりに原判決が、この点につきその判断を明示しなかつたとしても所論は、結局、採用し得ない。
同第二点について。
しかし、農地法の構造、賃借権と永小作権の性質の相異等を合せ考えれば、同法一九条、二〇条が永小作権に適用又は準用さるべきものと解し難い。したがつて、これと趣旨を同じくする原審の判断は正当であつて、所論は理由がない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)